セCS最終S第2戦の流れを変えた1つの攻防 今後の流れをつかむのは?

追う立場、追われる立場で変化する重圧

 澤村のストレートの四球。次の打者で終われなかったところから失点した。1つのプレーで、変わる流れ。その流れからツキも変わる――。軽率な四球がチームの勝敗に直結してしまうことを中谷氏は見ていて実感した。

 第3戦では、流れやツキはどちらにあるのか。

「大きな流れが動くとすれば、昨日までは阪神がアドバンテージのある巨人を追いかける立場で、今日からは巨人が阪神を追いかける立場に変わります。追いかけられる方はプレッシャーがかかるので、大きく流れが変わる可能性がある。そのあたりが見所かなと思います」

 流れは1試合だけのものではない。シリーズ全般に関しても同じこと。巨人が阪神に勝つチャンスはまだまだある。それがいつ、どのようなタイミングかはわからないが、流れを引き寄せるプレーが出るかどうか。1つのプレーが勢いを生む可能性はある。逆に阪神は流れを渡さぬよう戦ってくるだろう。3戦目以降はそのせめぎ合いに注目だ。

【了】

中谷仁 プロフィール

和歌山県出身。智弁和歌山高校で1996年センバツ準優勝。1997年夏の甲子園で京都の平安高校を破り、全国制覇。同年の阪神ドラフト1位で入団。2位は現オリックスの井川慶だった。2005年オフに金銭トレードで楽天に移籍。09年には野村克也監督の元、クライマックス・シリーズにも出場。2012年に巨人に移籍。この年に引退し、ブルペン捕手に。WBC日本代表のブルペン捕手としてチームに帯同。現在は大阪の野球教室「上達屋」で子供を指導。グラウンドの外から野球を勉強中。集英社「Sportiva」のウェブサイトで「エースの響き」を連載中。

フルカウント編集部●文 text by Full-Count

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