悪性の病と闘う男児をワールドシリーズに招待へ MLBの心温まるチャリティーが全米で話題に

MLB副会長のトーリ氏が「入場料は学資に」と訴える

 元ヤンキース監督でMLB機構副会長のジョー・トーリ氏が、ユーイング肉腫と呼ばれる悪性腫瘍と戦うカンザスシティ在住の6歳の男児の夢をかなえるために、ロイヤルズとジャイアンツによるワールドシリーズに招待することを発表し、全米で話題になっている。

 トーリ氏が自身のツイッターで「MLBを代表して、ノア・ウィルソン君を2014年ワールドシリーズのゲストとして招待したいと思います。入場料は学資に取っておきましょう!」と発表すると、米テレビ局CBSスポーツなどが心温まるチャリティーとして大きく取り上げた。

 ノアくんは、青木宣親外野手らの活躍で1985年以来となるワールドシリーズ進出を果たした地元球団のロイヤルズを応援したい、と心から切望。その夢をかなえるために、近所の住民はネット上でチャリティーを呼びかけていた。

 カウフマン・スタジアムで行われる第1戦のチケットは再販市場で1枚1000ドル(約10万7000円)のため、家族6人分の入場料は総額6000ドル(約64万2000円)となる。支援の輪が広がり、ウィルソン家には1万ドル(約107万円)の資金が集まったが、トーレ氏はこの善意の支援を返金するのではなく、「学資に」と訴えかけている。

 CBSスポーツは「今、集まったお金は若いノアくんに価値のある目的に使用されることが可能になった。しかも、試合にも行ける。これは全員の勝利だ」と報じている。心温まるエピソードもワールドシリーズを一層盛り上げることになりそうだ。

【了】

フルカウント編集部●文 text by Full-Count

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