人気上昇で争奪戦の可能性も FA青木宣親の来季去就はどうなる?

ロイヤルズの29年ぶり躍進に貢献した青木

 ロイヤルズの青木宣親外野手が、あと1歩のところで世界一を逃した。ジャイアンツとのワールドシリーズでは守備を理由に敵地での3連戦で先発から外れ、風邪による体調不良にも苦しむなどして、14打数1安打の打率7分1厘。十分に力を発揮することはできなかった。

 それでも、シーズン終盤には3連戦で11安打と球団新記録を打ち立てるなど、若いチームを牽引してプレーオフ進出の立役者に。各選手の長所を最大限に生かした野球で快進撃を続けた個性派揃いのロイヤルズで、欠かせない選手の1人だったことは間違いない。

 注目は今後の去就だ。2年間所属したブルワーズが昨年末に1年間の延長オプションを行使し、そのままトレード先のロイヤルズが引き継ぐ形となっていた契約は、今季限りで満了。FAとなった青木の人気が高まることは確実な状況となっている。

 今季の年俸は175万ドル(約2億円)。これに出来高で約100万ドル(約1億1200万円)が付いたと見られる。主に上位打線の1、2番を打ち、打率2割8分5厘、43打点、1本塁打、出塁率3割4分9厘。この打撃成績を見れば、青木の年俸がメジャーで破格だったことは間違いない。FAとなったことで、来季は500万ドル(約5億6000万円)以上の年俸となることは間違いないだろう。争奪戦となれば、さらに跳ね上がる可能性もある。

 では、どこが青木を獲りにいくのか。青木にとって、今季の経験は忘れがたいものになるはず。プレーオフ進出という目標は大きなモチベーションとなるだけに、まずは強豪チームでプレーする可能性を探ることになるだろう。

 ロイヤルズ残留の可能性はどうか。デイトン・ムーアGMは、レギュラーシーズン終盤に青木の残留を望んでいることを明言した。躍進の立役者であることは間違いなく、ネド・ヨスト監督を初めとしたスタッフは青木の力も十分に理解している。ただ、その起用法に疑問符が付くことも確かだ。

 レギュラーシーズン中盤から、先発しても途中交代が増えた。青木は守備や走塁でも高い能力を併せ持つが、メジャー屈指の守備範囲、スピードを誇るジャロッド・ダイソンを試合終盤に送られることが多くなった。プレーオフには5、6回という早いタイミングでの交代もあり、青木にとっては難しい環境だったとも言える。

 さらに、10月24日にはロイヤルズがホワイトソックスから26歳のモイゼス・シエラという若い右翼手を獲得しており、これがどのような形で影響するかも注目されるところ。再契約のオファーを受けても青木自身が他チームでのプレーを望む可能性は十分にあるだろう。

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