日本人最多3個目のチャンピオンリングを獲得 ジャイアンツのWS制覇を支えた2人の日本人

選手たちからも揺るぎない信頼を得ている両氏

 一方、植松氏はブルペン捕手として、試合では主にリリーフ陣をサポート。当然、練習では選手のキャッチボール相手も務める。

 ジャイアンツは今季、ヤスメイロ・ペティット、ジーン・マチ、ジェレミー・アフェルト、セルジオ・ロモ、サンティアゴ・カシーヤといった強力ブルペン陣が大きな強みだった。レギュラーシーズンの救援投手陣は32勝14敗で、チーム防御率はリーグ3位の3・01を誇っただけに、植松氏の存在は大きかったと言える。

 ワールドシリーズ第7戦では、エース左腕のマディソン・バムガーナーが5回から登板し、ロイヤルズ打線を5回2安打無失点と抑え込んだ。先発した第5戦から中2日でのマウンドにもかかわらず、ジャイアンツを優勝に導く快投を披露。リーグ優勝決定戦に続いて文句なしのシリーズMVPを獲得したが、マウンドに上がる前のバムガーナーのボールをブルペンで受ける植松氏の姿は、全米中継のテレビでも映し出された。

「日本人最多」に躍り出る3個目のチャンピオンリング。それは、まさに勲章だ。2人は「選手に感謝したい」と声をそろえるが、選手も「(優勝は)彼らのおかげ」と裏方の人々への思いを打ち明ける。この信頼関係があるからこそチームが成り立ち、ファンはメジャーの熱い戦いを見ることができる。

 通訳やトレーナーをはじめとして、2人以外にもスタッフとしてチームを支える日本人はメジャーに多くいる。世界一を目指して戦っているのは、選手だけでない。ベンチやブルペンにも注目してみると、試合の見方も変わってくるかもしれない。

【了】

フルカウント編集部●文 text by Full-Count

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