最近5年で3度のWS制覇に輝いた強さの理由 ジャイアンツを世界一に導いた3人の“WS男”

WS通算で“史上1位”の防御率0・25を誇るバムガーナー

 ジャイアンツにあって、ロイヤルズになかったものとは何だろうか? 今季のワールドシリーズ(WS)で、2010、2012年に続く5年で3度目の世界一を果たした“常勝軍団”で際立ったのは勝負強さ。ロイヤルズとはメジャー史上2度目のワイルドカード同士の対戦となり、お互い勢いに乗って頂上決戦までたどり着いたが、最後にジャイアンツを輝かせたのは大舞台での勝ち方を知る男たちだった。

 マディソン・バムガーナー、パブロ・サンドバル、そして、ハンター・ペンス。3人の存在が、若く有能な選手が多いロイヤルズとの違いを作り出したと言える。

 それは、残した数字を見れば明らかだ。

 バムガーナーは今WSでスーパースターとしての地位を確立した。第1戦、第5戦で先発して2勝をマークすると、最終決戦の第7戦では5回からリリーフとして登板。117球で完封した第5戦から中2日にもかかわらず、最終回までの5イニングで68球を投げきり、2安打無失点4奪三振に抑える完璧な内容だった。

 ゲーム直後に付いていた白星は、メジャー規則に沿ってセーブへと変更されたが、計21イニングを投げてわずか1失点の防御率0・43、1四球17奪三振という成績は見事というほかない。MVP受賞も当然と言えるだろう。今ポストシーズンでは52回2/3を投げて4勝1敗、防御率1・03。1シーズンでのWS登板回数は、2001年のカート・シリング(ダイヤモンドバックス、48回1/3)を抜いてメジャー史上1位となった。

 ただ、さらに際立つのはWS通算成績。バムガーナーは2010、2012年にも先発しており、いずれも快投を見せている。過去2シーズンも足すと、WSでは36イニングでわずかに1失点の防御率0・25。14安打5四球31奪三振という驚異的な数字が並ぶ。25イニング以上を投げたことのあるピッチャーで防御率0・25は、ジャック・ビリングハムの0・36を上回る史上1位だ。

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