先発ローテの一角に食い込めるか ソフトバンク東浜巨の挑戦

日本シリーズの勝負所で好救援を見せた東浜

 日本シリーズでの登板、わずか1試合、3イニングだけ。それでも、東浜巨は、ソフトバンクの日本一に大きく貢献したと言っていい。日本シリーズ第4戦。先発した中田の3回6四球2失点の大乱調で、劣勢へと追い込まれかけたチームを踏みとどまらせたのは、12年のドラフト1位の好救援だった。

 初回、いきなり3連続四球で2死満塁のピンチを招いた中田は、3回にも2番上本、3番鳥谷、4番ゴメスに、この試合2度目の3連続四球を与えた。マートンの中犠飛と福留の中前適時打を浴び、わずか1安打で2点を失い、もらったリードを簡単に吐き出した。センター柳田の好守で、何とか2失点で切り抜けたが、乱調は明らか。秋山監督は早々に中田をあきらめて、背番号16へとスイッチした。

 4回からマウンドに上がった右腕は、阪神へと傾きかけた流れを、見事に止めた。4回1死二塁のピンチをしのぐと、5回は三者凡退に。6回に四球と安打で1死一、二塁とされたが、藤井、大和を連続三振に切り、ピンチを脱した。

「欲しかった三振。自然に出ました」というガッツポーズを決めて、マウンドを降りると、勝利の方程式へとバトンをつないだ。3回1安打無失点。延長10回に飛び出た中村のサヨナラ3ランという劇的な幕切れも、同点のままゲームを作った東浜の力投があったからこそだった。

「やるせない気持ちはあるし、登板機会にも恵まれなかった。チームのために、役立たずでは終わりたくなかった。チームが勝ったのが1番良かった」。

 試合後、こう言って、汗をぬぐった右腕。この言葉通り、今季の成績は納得がいくものではなかった。

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