【21Uワールドカップ】誤算だった中村の乱調、救った横山の快投 国際大会は2巡目がキーポイント

阪神ドラ1横山が3回8Kと圧巻の救援「三振を取れる自信があった」

 窮地に立たされた平田監督。リーグ戦とはいえ「1試合1試合のトーナメントのような感覚で戦う」と中村を代えて、クローザー候補だった山岡泰輔(東京ガス)を起用。その後は、第4戦目のニカラグア戦で先発の予定だった横山雄哉(新日鉄住金鹿島―阪神ドラフト1位)と送り込んだ。

 国際大会ではどんどん良い投手を送り、打者の目先を変えさせるのが鉄則。先のことではなく、目の前の勝利に執着した。山岡は5回に1点を失ったが4回の登板時は大量失点の流れを断ち切っていた。

 そして、初戦の勝利の立役者は横山。素晴らしい投球だった。「直球が良かったので、三振を取れる自信がありました」と6回から登板すると8番のデールから1番のセイヤーズまで3者連続三振。7回は3、4番を連続三振。8回は5番のエドモンズから3者連続三振。3イニング8奪三振。迷わずに直球で攻め続けた。

 当初は2イニングの予定ということもあって最初から飛ばしたため、直球主体のピッチングになった。平田監督は流れをつかみとるため、3イニングを投げさせて、見事、9回の逆転につなげた。これが海外デビューとは思えぬ、投球だった。

 先発の中村は長いイニングを投げることを考えて、ペースや球種の配分をしたところを2巡目に狙われた。横山は9人締めしたとあり、1まわりで対戦を終えた。山岡、横山、野村亮介(三菱日立パワーシステムズ横浜―中日ドラフト1位)の継投策が相手打者の目線を変え、はまった。一方、日本代表は初回に5点を奪ったものの、2巡目以降、8回までに4投手をなかなかとらえられなかった。それでも、9回のストッパー、スティーンセルの乱調も手伝い、逆転することができた。

 データの少ない世界大会は、いかに目の慣れた2巡目以降で対応していくか。投打ともに継投のタイミングがカギになりそうだ。

【了】

フルカウント編集部●文 text by Full-Count

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