他球団のMLB史上最高額契約を喜ぶヤンキース社長 その真意とは?

マーリンズ主砲の13年380億円契約に、「神様、ありがとう」と繰り返す

 マーリンズとジャンカルロ・スタントン外野手が13年総額3億2500万ドル(約380億円)というメジャー史上最高額の契約を成立させたことを受け、その歴史的な大型契約を喜んでいる“謎の球団”が存在する。

「神様、ありがとう。ありがとう、神様、ありがとう」

 2年連続でプレーオフ進出を逃したヤンキースのランディ・レバイン社長はオーナー・ミーティングに出席後、スタントンの正式契約について質問を受けた際に満面の笑みでこう語ったという。地元紙ニューヨーク・ポストが報じている。

 潤沢な資金力を武器にフリーエージェント(FA)市場で他球団の主力を積極的に補強してきたヤンキース。名門にとっては有力選手と他球団の長期契約は、どちらかと言えば歓迎すべきことではないようにも思えるが、レバイン氏はスタントンの大型契約を喜んでいる。

 なぜ神に3度も感謝を捧げたのか。その理由はアレックス・ロドリゲスにあるようだ。

 今季、禁止薬物使用問題で1年間出場停止を受けたAロッドは2007年にヤンキースと10年2億7500万ドル(約321億円)で合意。今年3月にタイガースのミゲル・カブレラ内野手が契約見直しで10年総額2億9200万ドル(約341億円)となったが、残り2年の契約+新たな8年契約の総額のため、Aロッドの契約額をこれまでのメジャー最高とする見方もあった。

 だが、今回のスタントンの大型契約により、Aロッドは“首位”から転落。この状況をレバイン社長は歓迎しているようで、「彼(Aロッド)はこれから他の選手と同じような扱いを受けることになるだろう。彼がスプリングキャンプに姿を現せば判断できるようになる。彼がチームに貢献できるかどうか。プレーできるのかどうかがね」と話している。

 また記事によると、「Aロッドがチームの戦力になるのか?」という質問を受けた同社長はボクシング・ライトヘビー級の王座統一戦で49歳のバーナード・ホプキンスがセルゲイ・コバレフと12回ラウンドの死闘を繰り広げたエピソードを例に挙げて奮起を期待したという。

 故障のよる不振とスキャンダルに苦しんできた、かつてのスーパースター。「史上最高年俸男」という肩書きから解放されたAロッドは、かつてのパフォーマンスを見せることはできるのだろうか。

【了】

フルカウント編集部●文 text by Full-Count

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