球団にとっても悩ましいテーマ? FA選手に提示する「背番号」は“誠意”となるか

移籍とともに注目を浴びる新背番号

 今年もフリーエージェント(FA)から、移籍先が続々と決まっている。

 ロッテ・成瀬善久投手はヤクルトへ。背番号は「17」。日本ハム・大引啓次内野手もヤクルトへ。背番号は若松勉氏、池山隆寛、岩村明憲、青木宣親らチームの顔がつけてきた「1」を提示され、感謝しつつも、最終的には「2」を選択した。

 未発表だが、巨人へ移籍するヤクルトの相川亮二捕手は「23」、横浜DeNAの金城龍彦外野手はかつて長嶋茂雄監督が付けていた「33」となりそう。選手はいくつになっても、新しいユニホームと背番号を考えるだけで気持ちが明るくなる。複数の打診があれば「どれにしようかな」とうれしい悩みになるようだ。

 そのため、球団側も年俸や出来高と同じくらい、背番号には頭を悩ませる。もともとつけていた愛着のある番号が空いていれば、スムーズにいく。空いていなくても、1軍で成績を残せていない選手がつけていれば、変更させることもある。変更が難しい場合でも、実現するかしないかは別にして、交渉の席で「〇〇が今、つけているが、望めば変えることもできる」と殺し文句にすることも。それが「誠意」につながるという考えだ。

 最近で話題と驚きを呼んだのは2011年オフにソフトバンクから巨人に移籍した杉内俊哉の背番号「18」。巨人は藤田元司、堀内恒夫、桑田真澄といったそうそうたるエースたちが背負ってきた番号を獲得の切り札として用意した。

 杉内がソフトバンクでつけていた「47」は不動のセットアッパー・山口鉄也が背負っていたため、当初は左腕の代名詞でもある「21」などが予想されたが、本人は「18」の提示に金額以上に巨人からの強いラブコールを感じた。ほぼ心は決まったいたが、これが移籍の決定打になった。

 阪神は2012年オフ、西岡剛にロッテ時代につけていた背番号「7」を提示し、複数球団の獲得競争の末に射止めた。西岡は「とくに番号にこだわりはない」とし、レギュラーの確約などを拒否。一からの競争を望んだ。それでも北京五輪でつけていた「7」には愛着はあった。阪神はそれまで俊介がつけていたのを変更してまで用意。誠意は伝わり、契約実現に至った。

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