来季へ向け高い期待を集めるダルビッシュ 「メジャーでも最も打てないピッチャーの1人」

各球団のエース・主砲コンビで最強なのは?

 レンジャーズのダルビッシュ有投手とエイドリアン・ベルトレ三塁手の2人が、MLBでトップ3の“エース・主砲コンビ”という高い評価を受けている。

 MLB公式サイトとも提携する米大手スポーツサイト「スポーツ・オン・アース」が「MLBの最強ピッチャーとヒッターのコンビは」という特集を行い、セイバーメトリクスの指標の1つでもある「WAR」を物差しに、球団毎の投打の主軸の実力をトップ10で比較している。

 WARとは打撃、守備、走塁、投球を総合的に評価して選手の貢献度を表す指標で、そのポジションの代替可能選手と比較し、どれだけ勝利数を上積みしたかを分析したもの。現在のメジャーで最も重視されている評価指数の1つだ。特集では、米野球データサイト「ファングラフ」に掲載されている、今季実績に基づく来季のWAR予想値の2選手の合算値で順位を決めている。

 10位タイには、今季ア・リーグ西地区2位に終わり、ワイルドカードシリーズでロイヤルズに惜敗したアスレチックスのジェフ・サマージャ投手とジョシュ・ドナルドソン内野手のコンビが選ばれた。

 28歳の強打者、ドナルドソンは今季158試合に出場して打率2割5分5厘、29本塁打、98打点という成績を残し、来季のWARは5・5という優秀な数字が予想されている。一方、昨季途中カブスからアスレチックスに移籍したサマージャは計33試合に先発して7勝13敗。カブス時代の打線の援護の乏しさから黒星が大きく先行したが、防御率は2・99と優秀だ。サマージャの予想WARは2・9で、2人の合計値は8・4となっている。

 寸評では「レッドソックスからトレード期限で移籍してきたジョン・レスター投手が実際のところエース格だったが、今オフにフリーエージェントとなり移籍確実なことから、来季のエースはサマージャである」と分析。レスター獲得の代わりに、レッドソックスに放出したヨニエス・セスペデスの離脱でアスレチックス打線は一気に失速したが、その中でもドナルドソンは中軸として活躍したことを評価している。ドナルドソンは、過去シーズンで平均26・5本塁打、95・5打点と安定した長打力を示しているという。

 同じ10位に並んだのは、ホワイトソックスの変則左腕クリス・セール投手と今季のア・リーグ新人王のホセ・アブレイユ内野手。「コンドル」の異名を持つセールは今季26試合に登板して12勝4敗、防御率2・17。サイ・ヤング賞候補3位に選ばれた男には最強左腕の呼び声も高く、左打者はほぼ完璧に封じている。8月24日のヤンキース戦でイチロー外野手に逆転タイムリーを打たれるまで、約1年間も左打者相手に打点を許すことはなかった。今季は故障離脱で登板回数が少なかったが、予想WARは4・7となっている。

 キューバの大砲アブレイユは、145試合出場で打率3割1分7厘、36本塁打、107打点と圧倒的な活躍を見せ、新人王選出の投票では満票を手にしている。長打率はリーグ最高の.581。WARはかなり控えめの評価で3・7となっており、寸評では「ファングラフでは信じられないルーキーシーズンからの多少の退化を予想している」と注釈をつけている。

 ただ、WAR合計が「8」となったセール、アブレイユという強烈な攻守の柱については「メジャー最高のコンビになるポテンシャルを秘めている」と高く評価している。

 9位はパイレーツのアンドリュー・マカッチェン外野手とゲリット・コール投手。今季打率3割1分4厘、25本塁打、83打点の活躍を見せたマカッチェンは、MVP投票で3位に選出された。寸評では「メジャー屈指のオールラウンダーとしての地位を確立した」と評価され、予想WARは6・2と高い評価を受けている。

 一方、2年目のコールは故障離脱もあったが、今季は22試合先発で11勝5敗、防御率3・65という成績だった。若手右腕のWARは2.4と予想されたが、マカッチェンの絶大な数値により、2人の合計値は8・6だった。

 8位はナショナルズのアンソニー・レンドン内野手とスティーブン・ストラスバーグ投手。レンドンはデビュー2年目の今季、打率2割8分7厘、21本塁打、83打点と活躍。ナ・リーグのMVP投票で5位に選出されている。予想WARは4・9だ。

 一方、リーグを代表するエースへと順調に成長したストラスバーグは、242奪三振でナ・リーグトップの数字を叩き出しており、予想WARは3・8。強豪ナショナルズの若き攻守の柱は、合計8.7となっている。

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