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DeNA・梶谷隆幸のコンバートを検証する ショートからライトへのポジションチェンジは成功だったのか

2013年、16本塁打を放ち台頭した梶谷隆幸。そして昨オフ、DeNA首脳陣は梶谷の外野へのコンバートを決断した。ショートとしての可能性を見切って梶谷の出場機会を優先。攻撃力を確実に生かす道を選んだ。果たしてコンバートは成功だったのだろうか。

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「ショート・梶谷」の成績を再確認

 2013年、DeNAの6年目・梶谷隆幸が台頭した。打撃が素晴らしく、8月以降の51試合で16本塁打を放つなどパワーの部分で大きな成長を見せた。

 一方、主にショートとして出場した守備では不安を残した。守備イニングは525.1イニング(フル出場なら1300イニング程度)と短く、数値が正当に能力を表しているかの判断は難しい。だが、守備範囲の広さを見当づけられる「12球団の平均レベルの遊撃手が同じイニング守った場合に比べ、どれだけ多くアウトを獲ったか」の数字を見ると、あまり良い数字が出ていない。

 この数字は梶谷が守備についている間にショートの守備範囲に飛んできた打球に対する処理状況と、全試合、全ショートによる守備範囲への打球の処理状況との比較を通じて算出している。

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梶谷隆幸の守備評価(2013年)

 守備範囲以外にも、失策割合や併殺が奪える場面での奪取割合でも平均レベルに達していなかった。限られた出場イニングでの結果であることはもう一度念押しするが、平均を下回った程度を失点換算すると、守備範囲、失策、併殺奪取、全て合わせて10点に及ぶ計算となる。これは梶谷が守った守備イニングを丸々平均レベルの選手が守ると失点が10点減った可能性があることを意味する。1シーズンをフルに出場していれば、この数字はもっと膨らんでいたかもしれなかった。

 しかし、最初に述べたように攻撃面は打率.346、出塁率.413、長打率.634、wOBA(注1).440と文句なしで、平均レベルの打者が同じ打席数に立った場合に比べ約26点上積みしたと計算される。比較対象を野手全体の平均ではなく攻撃力が低めのショートの平均にすると、その働きはさらに高い評価となる。梶谷が1シーズンをフルにこのレベルでプレーできれば、DeNA は攻撃力を大きく伸ばす可能性があった。

 キャッチャーやショートなど、固有の技術を求められるポジションを一応は守ることができ、それでいて打撃は一級品。そんな梶谷のような選手の扱いは難しい。

 早々に守備に見切りをつけ、負担の軽いポジションにコンバートすれば、貴重な「打てるショート」を得る可能性をみすみす逃すことになる。また、コンバート先でどの程度の守備力を発揮できるか、適応にどれだけ時間を要するかの見通しは立ちにくく、それはリスクになり得る。

 守備に目をつぶってショートで起用するにしてもリスクがついてまわる。現状以上に守備の不安が拡大すれば出場機会は減らさざるを得ず、打席に立つ機会も減る。結果、チームはその攻撃力を生かしきれなくなる。

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