鳥谷敬はメジャーで成功を勝ち取れるか 日本人内野手に立ちはだかる「壁」

メジャーにおける日本人内野手への評価とは

 レッドソックスが三塁手サンドバルと5年9500万ドル、遊撃手ラミレスと4年8800万ドルの大型契約を結んだ今オフシーズンは、例年に比べると市場の動きが速いようだ。マリナーズも外野/DHクルーズと4年5700万ドルで合意したと伝えられているように、今年は人材不足と言われている野手の方が投手よりも動きが活発だ。

 そんな中、日本球界からは阪神の正遊撃手としてチームを引っ張ってきた鳥谷敬がメジャー移籍を目指すことを表明し、敏腕代理人と名高いスコット・ボラス氏とタッグを組むことになった。

 10年連続全試合出場、ゴールデングラブ賞3度受賞、今年も打率は3割1分3厘と衰えを知らない鉄人が目指すのは、もちろんメジャー契約だが、果たしてメジャーにおける日本人内野手の評価はどうなっているのだろう。

 これまでメジャーに定着した日本人内野手と言えば、井口資仁(ホワイトソックス・フィリーズ・パドレス)、松井稼頭央(メッツ・ロッキーズ・アストロズ)、岩村明憲(レイズ・パイレーツ・アスレチックス)の3人が思い浮かぶ。その後も、西岡剛(ツインズ)、田中賢介(ジャイアンツ・レンジャーズ)、中島裕之(アスレチックス)らが海を渡ったが、不運な怪我も重なるなど、思うような結果を残せないまま去ることになった。最近の成功例は、トロントで人気を博した川崎宗則(ブルージェイズ)が唯一と言っていいかもしれない。

 成功した理由、結果を残せなかった理由は、個々の選手の持ち味や置かれた状況、チーム事情など、それぞれに違うため、1つに限定することは難しい。だが、現在の傾向として、メジャーにおける日本人内野手の評価は決して高くないことは確かだ。それは日本人の能力云々というよりも、現在の流れとして、メジャーでは、内野手、特に二遊間には若い選手を起用したがる傾向があるからだ。

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