改めて注目されるイチロー移籍の衝撃 ヤンキースへのトレードは「彼はいかに無私無欲であるかを示した」

「球団組織の代名詞」だったイチローのトレード

 ヤンキースからフリーエージェント(FA)となったイチロー外野手は来季、メジャーで3つ目のユニホームを着ることになりそうだ。ヤンキースはクリス・ヤングと4番手外野手として再契約し、メジャーでのキャリアをスタートさせた古巣マリナーズの球団幹部もイチローが補強ポイントと合わないことを明言している。

 ヤンキースで過ごした2年半は、イチローにとってどれほどの価値があったのか。それは本人にしか分からない。しかし、2012年7月23日に成立したマリナーズからヤンキースへのトレードが、日本だけでなく米国内にも大きな衝撃を与えたことは間違いない。

 米FOXスポーツ電子版はこのたび、「衝撃を与えた7つのトレード」という特集記事を掲載した。近年のメジャーリーグの中でも衝撃の大きかったトレード劇を挙げているが、その中でイチローの移籍が3番目に登場している。

 イチローのトレードについての説明はこんな一文からスタートする。

「1人の選手が球団組織の代名詞にまでなった場合、その選手がライバル球団へトレードされるのはいつだってショックだ」

 イチローは2000年オフにポスティングシステム(入札制度)でマリナーズに移籍すると、ルーキーイヤーの2001年にはMVPと新人王をダブル受賞する活躍でチームを牽引。マリナーズはシーズン116勝というメジャー記録に並ぶ快進撃で、ア・リーグ西地区を制覇した。

 その後、イチローは10年連続200安打を達成。2004年にはメジャー記録となるシーズン262安打を放つなどの活躍で、低迷を続けるチームの唯一の光となった。だからこそ、トレードの衝撃は大きかった。

 記事でも「キャリアスタートから11年シーズン半、イチローはシアトル・マリナーズの一枚看板としてファンの頭に刻まれていた。2012年7月23日にイチローをブロンクスに送ったトレードが、とりわけ不快だった理由はそこにある」と触れている。

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