イチローの去就決定は初の越年も ついに動き始めた去就問題の決着はいつ?

メジャー移籍の2001年以降、「無所属」での越年はなし

 しかも、ボッグス氏が事務所を持つのはサンディエゴとあって、日米メディアは地元球団であるパドレス移籍の可能性を報道。A・J・プレラーGMがイチローのファンであるということも注目された。ただ、球団側とボッグス氏の具体的な接触などが報じられることはなかった。

 その前後から、FA市場の外野手は続々と去就が決まった。ベテランのトリー・ハンターはタイガースからツインズに復帰。DH兼任で今季本塁打王のネルソン・クルーズはマリナーズと契約し、ニック・マーケイキスもブレーブス入団が決定。オリオールズからは2人の外野手が流出した。

 さらに今月に入ると、複数球団が興味を示していたメルキー・カブレラはホワイトソックスと契約。青木宣親の再契約に乗り出していると報じられたロイヤルズには、レンジャーズからFAとなったアレックス・リオスが加入し、ジャイアンツからFAのマイケル・モースもマーリンズに移籍した。

 有力選手で市場に残っているのは、すでに青木、コルビー・ラスマス、そしてイチローらに限られている。レギュラークラスの外野手を求めているとされるオリオールズ、マリナーズ、レッズなどは、このリストの中から補強を真剣に検討し始める可能性が高い。

 そして、イチローにも動きが出始めた。CBSスポーツは現地時間18日、「41歳となった日本の衝撃的な外野手、イチロー・スズキに対し、オリオールズは獲得を検討している」と報道。さらに「ウインターミーティングでは球団の興味を引くことの少なかったイチローだが、ボルティモアは彼と繋がる最初の球団となる」とも言及し、イチローの移籍先候補として本格的に接触を図るのは、オリオールズが初めてとなる可能性が高いことを伝えている。

 ただ、ボッグス氏はウィンター・ミーティングで取材に応じた際に、出場機会を求めているイチローの去就決着について、長期化も覚悟していることを明かした。イチローはマリナーズに入団した2001年以降、どのチームとも契約していない状態で新年を迎えたことはないが、今年も残り2週間を切った。初めて「無所属」で越年となる可能性も決して低くない。

 ついに動き始めたイチローの去就問題。ここから流れが出てくるのは間違いないが、マーケットの中心へと身を置き始めた安打製造機の新チームが決まるのはいつになるのだろうか。

【了】

フルカウント編集部●文 text by Full-Count

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