黒田博樹が米国で残した足跡 メジャーで刻んだ2つの「日本人初」

広島復帰を決めた右腕がメジャーで過ごした、歴史に残る7年間

 ヤンキースからフリーエージェント(FA)となった黒田博樹投手が広島復帰を決めた。ドジャース、ヤンキースの7年間で残した通算成績は、79勝79敗、防御率3.45。援護に恵まれない試合が多く、投球内容と勝敗数は釣り合わなかったと言えるだろう。

 だが、残してきた実績は、日本人投手として歴史に残るものだ。

 黒田が海外FA権を行使し、米国に渡ったのは2008年。メジャー1年目の7月7日に、いきなり大仕事をやってのける。ブレーブス戦で7回まで完全投球。8回に先頭のテシェーラに二塁打を許し、偉業達成こそらなかったが、その後も1人も走者を許さずに28人斬りで完封した。

 “準完全試合”は、01年の野茂英雄(レッドソックス)以来となる日本人2人目。日本人初の完全試合はならなかったが、わずか91球での完封劇には絶賛の声が相次いだ。

 2009年には、4月6日のパドレス戦で野茂、松坂大輔に続いて日本人史上3人目となる開幕投手を務めた。黒田がメジャー1年目でチームメートの信頼をつかんだことを証明する、大役への抜擢だった。

 2010年には11勝(13敗)、2011年には13勝(16敗)と2桁勝利を達成。そして、オフにFAとなり、名門ヤンキースと契約。すると、CC・サバシアに次ぎ先発ローテーションの2番手として16勝(13敗)を挙げ、地区制覇に大きく貢献した。

 3年連続2桁勝利は、日本人としては野茂(1995~97年、2001~03年)以来2人目。パイオニアの背中へ一歩ずつ近づいていった。

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