【パ×Full-Count】統合10年目の結実 なぜオリックスは2014年に躍進を遂げたのか

オリックスと近鉄の統合直後は「100+100が200にならなかった」

――3年前に球団に来られました。当時考えていたことは?

「まず自分のことを話させていただくと、私は3年前にオリックスから出向していまして、現在、大阪シティドームの社長も兼務しています。

 大阪シティドームから見ると球団は大きなテナントです。野球を含めコンサートなどで稼働率を高め収益をあげていく必要があります。僕は最初球団の方へ出向になり、その後、シティドームの方に兼務出向という形になりました。

 最初ここに来たとき、与えられたミッションは“とにかくファンを増やせ”というものでした。単純なミッションですが、どうしたらいいのか、何から手をつけたらいいのかまったく分からない。そこで、様々な人たちから話を聞きながら、やってきました。」

――具体的な施策としては?

「ユニフォームの変更など様々な施策を打っていますが、それだけでは不十分で、もっと本当の意味で考えていきましょう、と。もともと、ブルーウェーブがあって、近鉄バファローズがあって、それぞれが神戸と大阪で共存しているチームだったものが合体しましたから、統合当時は100+100で200になると思ってしまったんですね。でも実際は思ったようにはならなくて、逆に動員はかなり落ち込みました。

 関西って難しいのは、京都・大阪・神戸とまったく文化が違うんです。交わるはずのないものを交わらせてしまったので、当然水と油が分離されてしまい、当時のファンからは「球団がどこを向いているのか分からない」ということも言われました。オリックス・バファローズのファンは、3つの球団が合体して混沌としている状況なので、球団は少なくとも灯台くらいは示して下さいよと、そういう声だったと思います。

 阪急ブレーブスは1989年で終わり、近鉄バファローズも2004年で終わりです。ブルーウェーブも含めて、来る人たちが昔の球団のファンだけになってしまわないように、ターゲットは若い世代を狙っていきたい。新しい形のバファローズをつくりたい、その中に新旧のファンが入っていただけるような環境をつくりたい。そこで2014年からやり始めたのが、ネイビーのユニフォームに統一感を持たせることで、そこをしっかりやろうと。そして、ファンクラブの改革を始めました」

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