【パ×Full-Count】統合10年目の結実 なぜオリックスは2014年に躍進を遂げたのか

CRMを導入し、ファンクラブも改革

――すべて一新して、我々はこっちに行きますと?

「そうなんです。ファンサービスそのものは、低迷期のころからきちっとやっているんですけど、私が球団に来た時に、一番考えさせられたことがあります。スタッフに色んなことを聞いて、“こんなことやってないの?”と聞くと常に『やりました』と返ってくるんです。

 でもそれ、10年前にやっているのと、今だったらやり方も全然違うことができるんです。これだけモバイルが流行り、ITの技術も大きく変わってきている。同じことをやるのでも、視点を変えると、まったく真逆になることはよくあります。だからそういう部分はかなり議論しましたね。同じものでも視点を変えれば全然違うものに見えるでしょと。お客さんの見え方の話なので」

――見え方ですか。

「お客さんの見え方、感じ方を変えるのが私たちの仕事なので、流行に合わせてね。毎年同じことをやっていたとしても、違うように見えるというのはすごく重要です。あくまで感じ取るのはお客さんですから、お客さんの見え方・感じ方に敏感になるのは、凄く重要なことです。CRM(顧客管理データベースのシステム)を入れて、お客さんの情報をしっかり自分たちのものにしていくというのは、本当に重要だと思っています。

 ただ、システムを入れたからと言って、簡単にファンも増えて、会社も良くなるかっていうとそれは全然違います。やる人がしっかりしてないと。

 やっと2014年、チームも回って、ファンサービスも同時に進んできています。ただファンサービスそのものは、ファンクラブは改革しましたけど、ものすごく抜本的に斬新なことをしたわけではありません。2014年はチームが強くなって、上手くチーム強化とサービスの両輪が回るようになりました。そうするとお客さんの受ける印象が、まったく違うんですよね。両輪がやっと回り始めたなっていうのが2014年ですね」

RECOMMEND

KEYWORD

CATEGORY