【パ×Full-Count】「BsGirls」も起爆剤に ファン急増のオリックスが仕掛けた戦略とは

ファンとの一体感を重視

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ダンス&ヴォーカルユニット「BsGirls(ビーズガールズ)」【画像:オリックス・バファローズ】

――これは極端な増え方ですね。

「そうですね、1.5倍です。我々の考えに共感をして頂いたことが、少なからず数字に表れたのだと思います。“順位で上がったんじゃないの?”という声もありますが、確かにチーム状況による効果もあったかと思いますが、他球団や過去のトレンドを鑑みると、ファンクラブの会員数とチーム順位(Aクラス・Bクラス)において、会員数が倍になったり半分になったりするほど大きく影響を受けることはありません。

 ファンクラブ会員数が増加したことは球団として大変貴重なことですし、色々なセグメントで動員数を見ても、やはりファンクラブ会員の動員数がずば抜けて伸びている状況です。コアファンの方も増えたので、友人を誘うなど、全体的にファンクラブにおける波及効果も大きかったのだと思っています」

――それまでは“興味がある”レベルだった人たちを、一気に内側へ持って来ることができたのですね。

「そういうことだと認識しています。あともう一つが演出や応援スタイルを変化させたことだと思います。野球の試合はだいたい3~4時間くらいですが、球団側が演出をコントロールできる時間は、せいぜい40~60分程度です。それ以外のコントロールできない時間をどう演出していくのかを考えると、応援しかないと思います。結論としては、参加して楽しむことができる応援スタイルをどのように作っていくのか、というところに至りました。

 もともと野球界にはチアガールがある球団が多くあります。彼女たちはポンポンを持って応援します。社会人野球だと、彼女たちはベンチの上に立って観客と一緒に応援しますが、プロ野球ではベンチの上では行なっておりませんので、一緒に応援するのではなく、実際はチアパフォーマンスをイニング間に行なっているということになります。プロ野球のお客さんは当然ポンポンを持っていませんし、お客さんが持っていないことを一緒に行なおうとしても同じ動きがとれないので、結果として一体感を作り出すことができないのです。

 逆に、プロ野球のファンの方は選手や球団のタオルを持っているので、チアガールにもファンの方と同じようにタオルを持たせて、一緒に回したり掲げたりしながら、ファンの方々と一体感を持たせるようにしました。結果として、彼女たちがポンポンを持つことをやめ、音声(声)でファンの方を巻き込んだり盛上げながら、お客さんと一緒に応援をするように徹しました。そこで生まれたのが、BsGirlsというユニットの形です」

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