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【パ×Full-Count】球界活性化へ パ・リーグのデジタルメディア戦略が秘める可能性

2007年にパ・リーグ全6球団共同で設立されたパシフィックリーグマーケティング(PLM)。同社はどのような未来を思い描いているのか。今回、PLMの根岸友喜執行役員に球界の現状や今後の課題、施策などを語ってもらった。

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 2007年にパ・リーグ全6球団共同で設立されたパシフィックリーグマーケティング(PLM)。これまで各球団の地域密着やリーグ全体の活性化を目指し、様々な施策を推し進めてきた。特に試合映像やデータ等をPCやスマートフォン等でライブ配信する「パ・リーグTV」は同社が手掛ける事業の核となり、ファンが野球を楽しむツールとして広まりつつある。

 07年当初に1億8000万円ほどだった売上も、15年は約9倍となる16億円超を見込んでおり、今後も新たな仕掛けを模索中だ。パ・リーグだけでなく球界全体の発展・成長に多大な影響を及ぼす可能性を秘めるPLM。同社はどのような未来を思い描いているのか。今回、PLMの根岸友喜執行役員に球界の現状や今後の課題、施策などを語ってもらった。(前編)

球界に広がる将来への危機感

 ミッションは、プロ野球の新しいファンを増やしていくこと。ここで言う「ファン」の定義は、プロ野球に興味関心を持っていただける層のことであり、リーグ事業会社としての弊社の主な役割は、ファンの裾野を広げていくことです。

 私たちを取り巻く外部環境の変化は速く、特にお客様の趣味嗜好や価値観の多様化があり、そうした変化にスピード感を持って対応して行く必要があります。リーグ事業会社としては、各球場への来場者数以上に重視しているのが、プロ野球ファン人口の推移です。

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パ・リーグのファン人口推移

 球界再編が起きた10年前と比較して、パ・リーグに興味関心があるファン層は増加傾向にあるものの、将来的な国内人口減や加速する少子高齢化社会を勘案すると、安心できる状況ではなくむしろ危機感を抱いています。

 その主な理由としては、将来の国内人口減や社会の年齢構造変化であったり、20代などの若年ファンがそこまで増えていない現状(パ・リーグファンのボリュームゾーンは30代後半から40代前半)があるからです。

 課題解決策としては、プロ野球の本質的価値は選手のプレーであることを理解したうえで、ターゲットに合わせてお客様とのタッチポイントを数多く持ち、興味関心を喚起し、かつ、コンテンツを常に楽しんでいただけるようなサービスを出し続けることだと考えています。

 私たちはエンターテインメント産業である前提で、リーグ事業会社としては6球団でまとまってやったほうが効果が出る事業を推進しており、その中でもフォーカスしている戦略が3つあります。

 その中で最も重要なデジタルメディア戦略についてまず触れたいと思います。

 デジタルメディアの活用は、6球団まとまることによる数の論理でインフラ等のコスト削減を図りやすく業務効率化につながり、また「パ・リーグTV」のようなネットでの有料動画配信サービスによる収益化につながっています。業務効率化や収益化によって生まれたリソースを新しいサービスに再投資をし、私たちのミッションである新しいファンを増やしていくことにつなげていく方針をとっています。

 外部環境として、スマートフォンの急速な普及により人々の生活や行動様式は大きく変わり、プロ野球の見方も今後さらに変わっていくことが想定されます。前述の若年ファンの開拓も含めて、スマートフォンを中心としたデジタルメディアを活用していくことは不可避であり、その領域の打ち手の数を増やしていきたいと考えています。

 実際に米国では、MLB Advanced Media社(MLBAM)がデジタルメディア事業で大きな成功を挙げており、私たちは彼らをベンチマークしています。MLBAMの主力事業のひとつであるMLB.tvでは、マルチデバイスで様々なデータを調べながら試合のライブ観戦をインターネット上で楽しむことができます。

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