黒田復帰は球史に残る出来事 今季40歳右腕はあと何年活躍できるのか?

極端に少ないMLBの現役先発投手の来日

 FAとなっていた黒田博樹の広島復帰が決まった。MLBでシーズンを通じてローテーションに加わった投手が、翌年日本でプレーするケースは極めて少ない。名門ヤンキースで先発として199イニングにわたりマウンドを守った一流メジャーリーガーの“来日”は、球史に残るレベルの出来事と言える。

 プロ野球の長い歴史の中で、日本の球団が大物メジャーリーガーを獲得するケースは時折見られ、その都度話題を集めてきた。だが日本にやってきた大物の多くは野手だ。1995年にはMLBで起きたストライキの影響で、メジャーリーガーが日本に流入し話題を集めたが、これもケビン・ミッチェル(ダイエー/現ソフトバンク)、フリオ・フランコ(ロッテ)、シェーン・マック(巨人)、ダリン・ジャクソン(西武)などほとんどが野手である。背景には、ベンチ入りできる外国人選手が2~3人(支配下登録は3人)に限られていた時代が長かったことが関係していると見られる。限られた枠を、常時出場できる打者ではなく投手にあてるという発想が一般的ではなかったのかもしれない。

 投手の大物メジャーリーガーが日本にやってこなかった理由を探るにはさらなる検証が必要だが、そこには踏み込まず、今回は黒田のような有力な先発投手が日本にやってきたケースについて調べてみたい。

 まず、来日前年にMLBで規定投球回に到達した投手は、今回の黒田を含め3人のみ。黒田以外だと1988年に巨人に加入したビル・ガリクソン、2012年にソフトバンクに加入したブラッド・ペニーだけである。基準を緩め「前年に100イニング投げた」投手とすると黒田を含め9人。この数字だけでも、MLBで先発を務めるクラスの投手が日本に来ることがいかに珍しいことかがわかる。

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来日前年にMLBで100イニング以上登板した投手

 彼らのMLBでの成績をまとめると表のようになる。黒田以外の投手は防御率が4点台後半以上。勝敗でも勝ち越したのは黒田とガリクソンしかいない。ラモン・オルティズ(オリックス)も勝ち越しているが、救援で2勝しており先発投手としては3勝4敗だった。同じ「MLBの先発クラス」ではあっても、黒田は数ランク格上の存在であると言えそうだ。

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