イチロー、最高の外野陣に挑む 初のナ・リーグ、昨季の経験生かせるか

「ナ・リーグの野球にフィットする選手。まだ貢献できる力が残っている」

 指名打者制のないナ・リーグで出場機会が激減する可能性もあり、道のりは険しい。一方で、マーリンズはメジャー出場前提となる40人枠に外野手は3選手だけと選手層は決して厚くない。スタントン以外の二人は実績も少なく、付け入る隙は十分にありそうだ。

 米メディアも今回の移籍については大方、好意的な見方をしている。ヤンキース公式サイトのホーク記者はツイッターで「ナ・リーグの野球にフィットする選手。まだ貢献できる力が残っている」と評価。ヤンキースに所属した昨季も外野の5番手から出場機会を増やし打率2割8分4厘とまずまずの数字を残した。経験豊富なベテランの存在も若いチームに好影響をもたらしそうだ。

 最近3年間では2012年に178安打を放ったのが最高で、13年以降は136安打と102安打。通算3000安打到達には最低でもあと2シーズン必要とみるのが現実的だ。FOXスポーツ局のローゼンタール記者がツイッターで「今シーズンで3000安打に近づけば、FAとしての魅力も増す」とつぶやいたように、米野球殿堂入りの目安となる記録にどこまで迫れるかで、来季以降の挑戦権も見えてくる。

 球団公式サイトも今年の成績次第でマーリンズが2016年に再契約を提示する可能性を指摘する。初めてのナ・リーグで指名打者制も無い中、控えとして過ごしながら安定した調子を保った昨季の経験を生かせるか。1本の重みを感じながら、天才打者が勝負の1年を迎える。

【了】

フルカウント編集部●文 text by Full-Count

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