【パ×Full-Count】ファイターズが台湾戦略を仕掛ける理由 キーワードは「観光」と「陽岱鋼」

札幌ドームは新たな観光スポットとなるか

 きっかけは陽岱鋼の人気から始まったファイターズの台湾戦略だが、その他のマーケットはどう考えているのだろうか。

「アジア市場は大きなマーケットですし、視野に入ってきています。韓国・中国はもちろんですが、タイやベトナムといった国々へも、札幌から直行便が飛ぶようになりました。母数こそ東アジアの国には及びませんが、タイは2013年に前年比267%を記録するなど、急激に北海道への訪日数が増えてきています。積極的にプロモーションを行っていきたいと考えています。ただ、タイでスポーツといえば圧倒的にサッカーの人気が高いのが現状で、野球に直接結びつけるのは簡単なことではありません。これまで、海外へのアプローチはスポンサードや放映権のビジネスを中心として展開してきましたが、今後はそれをチケッティングやグッズ、飲食に繋げていきたい。それをするためには野球の興行だけでは難しいと考えています。

 ただ一例を挙げると、台湾の方が札幌ドームにいらした際、その設備に驚かれることが多いんです。子供が遊ぶところがあったり、グルメが充実していたり、球場の大きさもそうですね。野球の試合以外に楽しむものを用意するのは私たちの仕事ですが、スポーツエンターテイメントという括りで優れたコンテンツを出していければ、サッカー文化の国の方々も、“日本で一番人気のあるスポーツ”という捉え方をしていただけるのではないかと。ルールは良くわからないけど、そこにいけば1日楽しめる、そういう場を提供していきたいと考えています。これだけ海外の方が北海道に訪れていただいているので、その中の1%でも2%でも、球場に来て楽しんでもらえる努力を、続けていきたいと思います」

 たくさんの外国人観光客が訪れる北海道で、ファイターズは彼らを球場へ誘引する施策を積極的に打っている。その努力がどんな結果につながっていくのか、興味深い挑戦はまだ始まったばかりだ。

【了】

フルカウント編集部●文 text by Full-Count

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