松坂を復活へと導く名伯楽 投手王国構築を託された佐藤コーチの教えとは

ダルビッシュやマー君を育てた佐藤投手コーチ、ソフトバンクでも存在感際立つ

 チャンピオンフラッグがはためく宮崎・生目の杜運動公園。昨季、日本一に輝いたソフトバンクの春季キャンプのブルペンで、一際、存在感を際立たせている人物がいる。投球練習を行う投手陣に目を光らせ、ここと思えば、次々と助言を与えていく。

 常勝軍団を目指すソフトバンク。それを成し遂げる鍵を握る1人が、背番号70、佐藤義則投手コーチである。

 昨季までは楽天で投手コーチを務め、星野仙一監督の勇退とともに楽天を退団。今季から工藤公康新監督が就任したソフトバンクへと働きの場を移した。楽天時代は現ヤンキースの田中将大を、05年から07年まで在籍した日本ハムでは現レンジャースのダルビッシュ有を育てた名コーチだ。

 その教えは、初指導を行った秋季キャンプから目を引いた。キャッチボール前に投手陣を集めると「足を使って、体を大きく使って投げろ」と伝え、ブルペンでは「変化球はすべてストライク、ベースの上で変化させろ」と要求した。

「キャッチボールが下手な投手は、いい投手になれない。変化球でいつでもストライクを取れるように。カウントが悪くなって、相手打者の狙いが真っすぐになった時に助けてくれる。(広島の)前田は困った時はほとんどスライダー。そういうボールがあるから勝てる」

 佐藤コーチはそう狙いを明かした。

 春季キャンプになってもその姿勢は変わらない。キャンプ初日に投手陣を集めると、次々と訓示を並べた。

「昨季は四球を470近く(実際は469)出している。それを150は減らしたい。多すぎる」

「キャンプ中に、ベテランを除いて、2000球以上は投げるように」

「抑えと決まっている投手以外は、全員が先発でいくつもりで」

「このボールなら抑えられるという頼れるボールを作ろう」

「キャッチボールを丁寧にやらないヤツは、使わない」

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