カーショー、田中、そして前田へ 黒田博樹と“1988年組”の不思議な縁

「黒田を尊敬しているし、多くのことも学んだ」

 黒田がヤンキースに移籍した後の2013年7月、2人は初めて敵として投げ合い、ともに無失点の好投を見せている。黒田は7回、カーショーは8回を投げきったが、試合は9回に3点を奪ったヤンキースが勝利。この時、カーショーは「(黒田のことを)尊敬をしているし、多くのことも学んだ。アメリカンリーグのベストピッチャーに負けたのだから、仕方がないよ」と話した。違うチームに行っても、13歳年上の右腕に対する思い入れは変わらなかった。

 昨年はヤンキースでルーキーとして鮮烈な活躍を見せた田中も、黒田への感謝の気持ちを忘れていない。日本では24勝無敗という圧倒的な成績を残し、鳴り物入りでヤンキースに入団した右腕だが、メジャーへの適応は誰もが苦しむもの。それを陰から支えたのが黒田だった。

 キャンプでは「彼がこっちに来てどういうことを感じるかが第一。その後に彼が困ったら何か手助けできれば」と話し、自分の考えを押し付けることなく、さり気なく田中をサポートした。そして、アドバイスを求められることがあれば、それに的確に答えた。

 黒田は当初から「落ち着いてるし、周りに振り回されない、惑わされない強さを持っている。あれだけの結果を残せるというのは、間違いなく素晴らしいものを持っている」と年下の田中にも一目を置いていた。

 一方で、田中も「メジャーでも何年もずっとやられていて、ヤンキースでもローテーションを守られて活躍されている選手と一緒にできるのは自分にとってありがたいです」と明かしている。

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