【小島啓民の目】日本に衝撃を与えたリナレスの捕球動作 世界各国で異なる野球の「基本」

キューバ、米国、日本……、世界で異なる「基本」

 こんにちは。小島啓民です。2020年に開催される東京オリンピックで野球競技が復活する可能性があります。今現在のジュニア期の選手、更には既にプロ選手となっている若手選手が出場することになります。オリンピックを経験した者として、日本代表で経験したことが未来を担う野球界の後輩たちに少しでも力になればとの想いを込め、この連載を綴りたいと思います。

 2008年の北京オリンピックを最後に実施競技から除外になった野球。そもそも正式競技として野球がオリンピックに採用されたのは、1992年、私も参加したバルセロナ大会からでした。それ以前のロサンゼルス大会、ソウル大会は公開競技として実施されていました。

 当時の日本代表チームは、伊藤智仁(元ヤクルト)、杉山賢人(元西武ライオンズ)など社会人野球選手が中心で、唯一、当時青山学院大学3年生、現侍JAPAN監督の小久保監督がメンバーに加わるという構成でした。オリンピック終了までドラフト指名ができないという凍結制度が導入され、その制度へ自らの意志で登録し、オリンピックを目指すという意識の高い集団でしたから日の丸にかける想いは相当なものでした。

 そのような中、国際大会に出て、試合を多く戦いました。海外チームとの対戦は本当に今までの固定観念、野球感を変えてくれました。キューバに遠征し、交流試合を行った時には、「ボールの捕り方やスローイングに対する基本が何か違う」とすぐに感じました。

 例えば、キャッチボールにおいて日本では、ボールを捕球する構えは「脇を閉めて」と教えるのですが、キューバでは日本よりも少し両脇が開くような感じで構えます。スローイングにおいても、オーバーハンドで強いボールを投げることが常とされている日本と違い、サイドハンドやアンダーハンドと様々な投法を駆使してキャッチボールしている姿は違和感を覚えるほどです。

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