イチローは野球用具を「トロフィーのように扱う」 その超一流の作法とは

バットには除湿器「彼がメジャーデビューしてから使用する選手は増えた」

 ただ、ミズノ社のバット職人が作り出した逸品に対するイチローの扱い方は、感動的なほど入念だ。除湿機はバットを手に入れた当時と近い状況に留める狙いがあるという。そして、バットを使う前には、まるで洗濯のように一度日光に浴びせるとされている。

 記事では「除湿機はメジャーリーグのクラブハウスでは見かけないものだが、彼が2001年にメジャーデビューしてから使用する選手は増えた」と指摘。マリナーズ時代の同僚で、今年、ジャイアンツからマーリンズに加入した友人のマイケル・モース内野手には過去にプレゼントしたことがあるという。

「多くの人たちが僕のところに来た。彼らも何回かはやるだろうけど、続けることはしない。そういうものです」

 イチローは通訳を介してこう語ったという。バットやグラブを大事にするという求道者の作法を学ぼうとした選手は多くいたが、長続きする人間はほとんどいないようだ。

 日米通算4000本安打を達成し、通算3000本安打まで156本と迫っているイチロー。ともに大記録を生み出してきたバットとグラブには、レジェンドの愛情が込められている。

【了】

フルカウント編集部●文 text by Full-Count

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