ヤクルト奥村の評価は? 人的補償の19歳が“品評会”で見せた輝き

将来は山田と二遊間も、「チームとしてはショートやサードでやってくれるのがいい」

 本人が今年のキャンプで重点的に取り組んできたのが、この守備の部分。昨年の巨人では、主に二塁手としてイースタン・リーグ86試合に出場。だが10失策を記録するなど、守備力を上げる必要性を痛感していた。そこで、今キャンプでは水谷2軍内野守備走塁コーチから徹底的にノックを受け、捕球から送球まで鍛え直した。

「本当に付きっきりでやってもらいました。課題だった守備にも自信がつきました」

 とはいえ、1軍で定位置をつかむには高過ぎる壁がある。本人が1番やりやすいと感じているセカンドには、絶対的なレギュラー・山田哲人がいる。年齢もまだ22歳。今後10年は君臨するはずだ。

 三木コーチは「哲人がいる以上、チームとしてはショートやサードでやってくれるのがいい。今後はファームでもそういう起用が増えていくと思う」と育成方針を示す。日大山形高では遊撃を本職としていた奥村自身も、その点は自覚している。

「セカンドだけでなく、ショートやサードなど、どこでも守れるようにしないといけない。1軍で出るには必要なことだと思っています」

 今季の目標には「1軍初安打」を掲げている。首脳陣が口をそろえて「本当に楽しみな選手」と評価する男なら、その日は必ずやってくるだろう。そして近い将来、山田と二遊間を組む日も訪れるかもしれない。

【了】

フルカウント編集部●文 text by Full-Count

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