開幕マイナー決定の川崎宗則、メジャー昇格の可能性は?

3年連続開幕マイナーも、メジャー昇格の可能性が高い川崎

 100万ドル、1000万ドルという契約が当たり前に思えるメジャーでも、マイナーに選手を送る権利を手に入れるため支払う10万ドルのボーナスは決して安いとは言えない。さらに、10万ドルのボーナスを支払って引き留めた選手でも、6月1日までにメジャー昇格させなかった場合は、契約を破棄して自由契約になる権利が生じる。

 つまり、近い将来にメジャー25人枠に加わる可能性がなければ、球団は10万ドルを支払ってまで選手を留め置かないというわけだ。

 ちなみに、2013年の松坂大輔(当時インディアンス)、昨年の和田毅(カブス)の場合は、開幕5日前以前に1度自由契約となってから、球団とマイナー契約を結び直している。だが、この場合は、球団に10万ドルの支払い義務は生じない。

 さて、こういった情報を持った上で、話をブルージェイズ川崎に戻そう。3年連続で開幕をマイナーで迎えることになったものの、近い将来チームは川崎をメジャーに昇格させる意思がある、少なくとも可能性が高いことが分かるだろう。

 開幕して間もない4月、5月には予想外の怪我も多いし、正二塁手となったトラビスはオープン戦で打率3割以上を残した有望株だが、開幕後も好調が続くとは限らない。まさかの時に昇格の白羽の矢が立つのは、川崎であり、同じく内野手のゴーインズだろう。

 チームの期待を背負いながら傘下3Aバファローへ向かう川崎が、本拠地トロントで再びファンの大歓声に包まれる日もそう遠くはないだろう。

【了】

佐藤直子●文 text by Naoko Sato

佐藤直子 プロフィール

群馬県出身。横浜国立大学教育学部卒業後、編集プロダクション勤務を経て、2004年にフリーとなり渡米。以来、メジャーリーグを中心に取材活動を続ける。2006年から日刊スポーツ通信員。その他、趣味がこうじてプロレス関連の翻訳にも携わる。翻訳書に「リック・フレアー自伝 トゥー・ビー・ザ・マン」、「ストーンコールド・トゥルース」(ともにエンターブレイン)などがある。

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