黒田は粘球も援護なく、復帰2戦目で初黒星 日本での敗戦は2774日ぶり

中日戦で7回7安打3失点、QS達成も2007年8月30日以来の黒星

 メジャーリーグから8年ぶりに広島に復帰した黒田博樹投手が4日、敵地ナゴヤドームでの中日戦で今季2度目の先発マウンドに上がった。7回7安打3失点と粘りの投球を見せ、MLBでは先発投手の基準の1つとされるクオリティースタート(QS、6回以上を自責3位内)を達成したが、味方打線の援護がなく今季初黒星。日本での敗戦は2007年8月30日の阪神戦(甲子園)以来、2774日ぶりとなった。

 黒田は初回、先頭の大島をスプリットで空振り三振に仕留める。亀澤は初球のツーシームで右飛、平田も内角へのツーシームで遊ゴロに打ち取り、三者凡退に仕留めた。

 2回はルナを外角へのスライダーで遊ゴロに仕留めると、打撃好調の福田と対戦。追い込んでから外角への146キロのツーシームで見逃し三振に仕留めた。ボールゾーンから変化してストライクになる鮮やかな「バックドア」だった。エルナンデスには中前打で初ヒットを許したが、藤井はスプリットで空振り三振。走者を出しても動じなかった。

 3回は松井を三邪飛に仕留めて簡単に1死を奪ったが、ピッチャーの八木に対してはボール先行となり、最後はフルカウントから初四球を与えてしまう。続く大島の打席では、暴投で走者を二塁に進めたものの、追い込んでから147キロのツーシームで見逃し三振。今度は内角ボールゾーンからストライクになる「フロントドア」で仕留めた。さらに亀澤をスプリットで一ゴロに打ち取り、無失点で切り抜けた。

 広島も得点を奪えない中、黒田の好投は続く。4回は平田を二飛、ルナを三ゴロ、福田を中飛で三者凡退に仕留めた。

 5回、広島は1死一、二塁とチャンスを作るも、田中は左邪飛で凡退と援護できない。続く黒田は空振り三振に倒れ、得点を奪えなかった。

 その裏、黒田はエルナンデスと松井にヒットを打たれ、1死一、三塁とされる。続く八木は二ゴロに仕留め、飛び出した三塁走者のエルナンデスがアウト。2死一、二塁とした。

 しかし、大島には2球目の真ん中高めへのツーシームを左方向へと運ばれる。レフトオーバーのタイムリー二塁打で2者が生還。黒田は復帰12イニング目で初失点を喫し、先制を許した。さらに、亀澤は初球のツーシームで打ち取ったかに見えたが、フラフラと上がった打球はセンター前にポトリ。二塁走者の大島が生還し、追加点を奪われた。

 続く平田には二塁への内野安打を許したが、ルナにはスプリットを4球続けて空振り三振。3アウトとした。この回、平田まではすべて2球以内に打たれた黒田。中日の積極的な打撃に加え、不運な打球もあり、3失点を喫した。

広島打線は6回も無得点。黒田はその裏、変化球中心の配球で福田を空振り三振、エルナンデスを右飛に仕留め、簡単に2死を奪う。藤井には中前打を浴びたが、松井は投ゴロ。7回も続投すると、代打・高橋を二ゴロ、大島を右飛に仕留め、亀澤には死球を与えたものの、平田を投ゴロに打ちとった。

 ここまでで球数は95球に達し、その裏の打席で代打を送られて降板となった。広島は中日の救援陣にも抑えこまれて無得点で敗戦。黒田に復帰後初黒星がついた。

黒田のナゴヤドームでの登板は2007年9月21日以来。オープン戦も含め、復帰後に実戦で本拠地マツダスタジアム以外のマウンドに上がるのは初めてだった。粘りの投球を見せたものの、7回7安打3失点、6奪三振2四死球で黒星。広島はベテラン右腕の粘投を勝利につなげられなかった。

【了】

フルカウント編集部●文 text by Full-Count

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