パドレスが結ぶ心温まる“長期契約” かつての有望選手を20年間サポート?

ブルペンで心臓発作を起こし、車椅子生活となったラチャッパ氏

 だが、マイナーの1Aランチョ・クカモンガでプレーしていた1996年4月、思いもよらないアクシデントに見舞われた。両親がスタンドで見守る中、ブルペンでリリーフに備えて投球練習をしていたラチャッパ氏は突如、胸を抑え、グラウンドに倒れこんだという。

 地元の病院が緊急ユニットを派遣するまで、トレーナーのジム・ダニエルズ氏が心肺機能蘇生法を20分間続けたとされ、ラチャッパ氏は病院でも2度目の発作に見舞われたようだ。

「心臓にウイルスが感染した。彼はフィジカルテストをクリアしていたが、エコー検査をしなければ発見できないような病気だった」

 パドレスのマイナーリーグのメディカル部長、プリシラ・オッペンハイマー氏はこう振り返っている。有望な若手投手は一命をとりとめたが、車椅子が必要な状況となり、野球人生も終わってしまった。だが、パドレスはラチャッパ氏がマウンドに立つことができないことを理解しながらも、サポートを続ける方針を決めたという。

 ラチャッパ氏が病魔に倒れてから、契約が終了した後も、パドレスは毎年マイナー契約を更新している。クオリティの高い治療を受けられるように、と球団側が配慮し、20年間、基本給を支払い続けていると記事では紹介されている。

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