チーム初完封のロッテ・石川歩　快投支えたカーブの威力とは

石川の成長につながった緩急自在のピッチング

　 社会人時代、キレのある直球を武器に相手打者を打ち取っていたが、小島氏は「当時の石川は自分のストレートにあまり自信を持っていなかった」と振り返る。苦しい場面では変化球を多投してコントロールが甘くなり、打たれるというような傾向が強かったようだ。

「東アジア大会の時に全日本チームの抑えとして起用を決め、ラスト1イニングを任せることにしました」と話す小島氏は当時、カーブが投げられるかどうかを確認し、試合で投げることを勧めたという。小島氏自身、経験から石川のような背丈のある直球中心のピッチャーには、カーブが有効と知っていたからだった。所属の東京ガスではあまり多投していなかったという。

　すると、強力打線を形成していた韓国の左打者をカーブで三振に切るなど、威力を発揮。その1イニングで緩急自在のピッチングで成功したことが、プロでもうまくカーブを織り交ぜる投球につながったようだ。

「プロ入りしてからは、社会人最後のイメージをそのまま持続しているという感じですね」と小島氏。ともに戦ったチームメートのこれからの活躍を確信し、期待を寄せている。

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フルカウント編集部●文　text by Full-Count