歴代最多安打記録更新へ 2つの壁乗り越えた明大・高山の本当の強さとは

秋の記録達成へ、「状態は決して悪くない。自分は自分のスイングをしていくだけ」

 それでも、高山はここから真骨頂を見せた。慶大2回戦では、シフトなど関係ないと言わんばかりに左翼席へ満塁アーチを放つなど2安打。高校通算32本塁打の長打力を見せつけると、3回戦でもマルチ安打を放ち、一気に安打量産態勢に入った。

 東大戦、慶大戦を通してツキのない状況がありながら、高山は同じような言葉を繰り返していた。

「状態は決して悪くない。バッティングは相手の守備位置に合わせての(もの)ではない。自分は自分のスイングをしていくだけ」

 1安打ごとにメディアから注目され、相手からも警戒されている。その中で己を見失わず、自分のスイングに徹している。それが、法大戦2試合で6安打の爆発につながった。相手、状況にも左右されない強さこそ、高山の最大の武器だろう。

 今季は、残り2カード。このペースで打ち続ければ、秋の記録達成は十分に可能だ。1試合ごとにその凄みを見せつけながら、高山は東京六大学野球90年の歴史の頂に近づいている。

【了】

フルカウント編集部●文 text by Full-Count

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