リーグトップの得点力誇る日本ハム&DeNA 両チームの“強み”とは

首位に立つDeNA、得点力トップの維持は筒香の勢い次第?

 日本ハムは陽岱鋼の骨折で中堅の穴が埋まる見込みが遠のいた。また復帰した大野奨太と近藤の併用割合によっては、得点力は多少落ちるかもしれない。西武が左翼のマイナスを埋め戻していけば、得点面では拮抗する可能性がある。ソフトバンクは捕手と二遊間のマイナスがある限り差は縮めにくく、得点力においては2球団を追う展開になるかもしれない。

 DeNAは筒香の勢い次第か。現状の大きなリードは、巨人のレスリー・アンダーソン、阪神のマット・マートン、ヤクルトのバレンティン、広島のロサリオ、ブラッド・エルドレッドなど、同じ守備位置の選手の不振や故障、出遅れなどがあって築けているもの。彼らが攻撃力を見せ始めればリードは目減りし、DeNAにとって左翼は強みとして見込めるポジションではなくなってしまう可能性もある。

 巨人は阿部の復帰、実績は十分ある坂本勇人、長野久義らの不振からの脱出など、攻撃力アップにつながる材料はある。それが叶わずとも、選手層の厚さが安全装置として働き、攻撃力の劇的な低下は防ぎそうだ。

 得点力で1、2位を争ってもおかしくなかったヤクルトと広島は外国人選手、そして他チームを引き離す上で重要な二塁手の攻撃力という武器を失っているのが痛い。双方が解決しなければ、昨シーズンのような得点力を取り戻すのは難しいかもしれない。

(注)wOBA:Weighted On Base Average
打者が打席当たりにどれだけチームの得点増に貢献しているかを評価する指標。総合的な打撃力を表す。四球、単打、二塁打、三塁打、本塁打等の各項目について統計的な研究から妥当と思われる得点価値の加重を与え、打席当たりで平均することによって算出される。数字のスケールは出塁率に合わせられており.330程度が平均。各項目への重みづけがOPSよりも適切。

wOBA(NPB版)={0.692×(四球?故意四球)+0.73×死球+0.966×失策出塁+0.865×単打+1.334×二塁打+1.725×三塁打+2.065×本塁打}÷(打数+四球?故意四球+死球+犠飛)

【了】

DELTA●文 text by DELTA

DELTA プロフィール

DELTA http://deltagraphs.co.jp/
2011年設立。セイバーメトリクスを用いた分析を得意とするアナリストによる組織。書籍『プロ野球を統計学と客観分析で考える セイバーメトリクス・リポート1~3』(水曜社刊)、電子書籍『セイバーメトリクス・マガジン1・2』(DELTA刊)、メールマガジン『Delta’s Weekly Report』などを通じ野球界への提言を行っている。最新刊『セイバーメトリクス・リポート4』を3月27日に発売。http://www.deltacreative.jp

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