パ・リーグ&富士通が手がける革新 野球の“未来型視聴スタイル”とは

新しい視聴スタイルとは……

――新しい視聴スタイルとは?

「我々が抱えている問題意識はもちろんあります。これまでテレビは、地上波に複数のチャンネルがあり、それを家族が一緒に見る、というスタイルが主でした。パ・リーグTVさんもそうですが、今はタブレットやスマホで、個人がオンライン映像を見る頻度が高まってきています。オンライン映像は、これまでの映像と比較して数が膨大に多く、一例を挙げれば、YouTubeには1分間に80時間分のコンテンツがアップロードされる時代になっています。

 その中から、本当に自分の好きなコンテンツを見つけるためには、ユーザーが能動的に探しに行かなければなりません。これまでは動画の1ファイルを先頭から見るというのが通常の視聴スタイルでしたが、野球の場合、1試合すべてを見るというのは時間的にも簡単なことではありません。もちろん人によって環境は様々ですが、野球も見たいしサッカーも見たい、という人であれば、自分の好きな選手が出ている場面だけを見て、また次の動画へ移るというスタイルも当然あり得ます。

 それを実現するためには、シーン毎の検索は非常に有効です。ファイルベースの視聴スタイルから、シーンベース、特定のシーンを見るというスタイルに変わっていくのでは、と考えています」

――シーンを特定するということですが、どのように映像を認識しているのですか?

「大きく分けるとやり方は二通りあります。一つは、自分で特徴を見つける形です。例えば、柴犬の顔の違いは鼻の大きさに出てくることが分かった、というような特徴を見つけて、鼻の大きさを認識して見分けられるようなシステムを作る形。

 もう一つは機械学習と言われているもので、これも犬で例えると、この写真は太郎、この写真は次郎と、いくつものデータを登録し、機械に学習させる方法です。人間の脳と一緒で、人間の脳も“これがリンゴです”と教えられると、言葉にはできないような特徴を掴みながら学んでいきます。これと同様に、そうした特徴を捉える学習を行い、認識できるようにします。

 部分的には両方を使いながらなんですが、今回は主に、前者の自分で見つける形を使いました」

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