歴史刻んだイチローの「最もエキサイティングでないランニングホームラン」

MLB球宴史上唯一のランニングホームランは、なぜ「エキサイティングではなかった」のか

「イチローが今回の連戦まで、唯一ここに来たのは2007年のオールスターゲームです。そこでインサイドパークホームラン(ランニングホームラン)を記録しています」

 実況アナウンサーはこう言及。イチローが三ゴロに倒れ、さらに続くイエリッチが三振に仕留められた後、伝説の一撃の映像を放送した。

 2007年7月10日、イチローはAT&Tパークで行われた第78回MLBオールスターゲームに出場した。5回1死の場面で、ライトへの長打を放つ。イチローも尊敬するケン・グリフィー・ジュニアが、特殊な設計になっているAT&Tパークのライトフェンスを直撃したクッションボールの処理に手間取る隙に快足を飛ばし、ホームを駆け抜けた。

「彼はオールスターでランニングホームランを放っています。私が見た中で、最もエキサイティングではないランニングホームランでしたね。なぜなら、ホームベースでクロスプレーにすらならなかったんですから」

 解説者を務めたメジャー通算124勝の元ジャイアンツ投手、マイク・クルーコウ氏はこう語っている。

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