今季は大きな変化も? インパクト残す“おかわり”中村の言葉

今季の打撃と言葉にはある変化も… “表”に出始めた勝利への欲

「ミスショット。ホームランは簡単には打てないですね」

 5月5日のオリックス戦で左翼線ポール際に大飛球を放ち、1度は本塁打とされたがビデオ判定の末にファウルとなった。本人は「幻でも何でもなく、あれはファウル」と意に介さなかった。そして打ち直しの初球、今度はセンターへ大飛球を放ち、アウトにこそなったがフェンス手前まで運んだ。

 中村は少し照れ笑いをしながら「簡単には打てないですね」の言葉を残したが、見る者には衝撃を与えた。栗山は「左翼線の際どい打球だったから、今度はセンターを狙ったんだと思う。あんなの普通はできない」と驚いていた。異論のない方角に、ホームランを打ち直す。その試みは中村にしかできない芸当だろう。

 本塁打を高確率で狙う打撃はもろ刃の剣でもある。だが今季の中村の打撃には少しの変化が見られる。交流戦開幕前までの得点圏打率は3割1分5厘。これまで規定打席に達したシーズンで1度も3割を超えたことがない。昨季は得点圏でも年間34本の30%近い10本の本塁打を放ったが、今季は11本中1本だけだ。

「勝利のために打点を取りたいと思っているが、今年は特に意識している。チャンスではホームランよりランナーを返すことを考えている」

 模範解答のような言葉だが、中村にとっては大きな変化に思える。もともと勝利への欲望は内に秘めるタイプだった。だが今年は表ににじみ出ている。7年ぶりの日本一へ飢えている。“美味しい”コメントが出れば出るほど、大好物の優勝に近づく。

【了】

フルカウント編集部●文 text by Full-Count

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