快挙に立ち会うのは3度目 今季初ノーノーの裏に名捕手ポージーの存在

快挙に立ち会うのは3度目だったポージー、ボウチー監督も「何も心配はなかった」

 ジャイアンツでは、2012年マット・ケイン(完全試合)、2013年と14年のティム・リンスカムと続き、今回のヘストンで4年連続の偉業達成だった。そして、2014年のリンスカムを除く3試合でマスクをかぶっていたのはポージーだった。

 6日の試合後、ボウチー監督とヘストンと一緒に記者会見に参加したポージーは、場慣れした落ち着いた雰囲気を漂わせながらも「特別な瞬間に立ち会えてうれしかったよ」と笑顔を浮かべた。ノーヒットであることに気が付いたのは5回くらい。それと同時に「今日はいつもと少し違った雰囲気がある」と感じていたという。後に別のインタビューでは「メッツ打線が芯で捕らえた打球はなかったし、何よりもツーシームがよく動いていた。もしかしたら……、という思いが頭をよぎったよ」と話している。

 捕手出身のボウチー監督も「何度もノーヒットノーランを経験した捕手がついているんだから、そこは何も心配はなかったよ」とポージーに全幅の信頼を寄せている。

 アメリカでは、どちらかといえば「打てる捕手」としての評価が高く、一塁コンバートの可能性も囁かれている(実際に一塁出場経験もあり)ポージーだが、捕手としての能力の高さ、とりわけ投球の組み立てや配球の上手さも称賛されるべきだろう。

 サンフランシスコの地元記者たちは「ジャイアンツで次にノーヒットノーランをするのは左腕マディソン・バムガーナーだろう。それも時間の問題だ」と早くも心の準備を進めているが、その時、本塁でマスクをかぶり、ミットを構えているのは、ポージーである可能性は高そうだ。

【了】

佐藤直子●文 text by Naoko Sato

佐藤直子 プロフィール

群馬県出身。横浜国立大学教育学部卒業後、編集プロダクション勤務を経て、2004年にフリーとなり渡米。以来、メジャーリーグを中心に取材活動を続ける。2006年から日刊スポーツ通信員。その他、趣味がこうじてプロレス関連の翻訳にも携わる。翻訳書に「リック・フレアー自伝 トゥー・ビー・ザ・マン」、「ストーンコールド・トゥルース」(ともにエンターブレイン)などがある。

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