開幕直後とはまるで別人!? ヤクルト山田はなぜ復活したか
初の本塁打王も視野、「山田が打ってくれると、他の選手にも活気が出る」
それまでは「打たなきゃ」という意識が強すぎ、ボールを追いかけていたが、この練習を契機に徐々に改善。さらにバットの始動を早くするなど、相手に合わせるのではなく、自分の打撃に集中するようになった。
自信を取り戻した23歳は、夏場に近づくに連れ、さらに調子を上げている。5日の広島戦(マツダ)ではチームは敗れたが、自身は18号ソロをマーク。トップの畠山まで1本差に迫った。
「予想していたよりもホームランが出ているのはうれしい。まだまだこれからですけどね」
初の本塁打王も視界にとらえ始めた。
そして、不思議なことに山田が打つと、打線にも勢いが出る。杉村チーフ打撃コーチは「山田が打ってくれると、他の選手にも活気が出る。相乗効果があるんだよな。去年みたいな形になってきたね」と解説。リーグトップのチーム打率2割7分9厘を記録した昨年のような、強力打線が復活しつつある。
だが、決して慢心はない。個人タイトルよりも、まだ経験したことのないリーグ優勝を心の底から欲しているからだ。
「これからが本当の勝負。1戦1戦、全力で戦っていくしかない。気を引き締めて頑張りたいです」
ヤクルトを2001年以来、14年ぶりのリーグVへ導くのは、この男しかいない。
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フルカウント編集部●文 text by Full-Count