いかにして観客を守るか MLBで叫ばれる試合会場の安全対策

臨場感と危険は紙一重、ブレーブス遊撃手「自分がファンだったら、あんな近くには座らない」

 この様子を伝える記事で、一塁走者だったブレーブスの遊撃手のシモンズはこう言っている。

「あっちの方向に強い打球が飛んだから、思わず顔をそむけたんだ。誰かに当たる可能性があると思ったからね。もし当たったとしても腕かどこかであるように願うだけだけど、顔に当たったら軽傷では済まない。たまに、もっとファウルネットの幅が広かったらって思うんだ。試合を見ていても、打球が速かったら反応しきれない。自分がファンだったら、あんな近くには座らないと思うよ」

 メジャー観戦の1つの魅力は、客席とグラウンドの近さだろう。ファウルボールを防ぐためのネットはホームプレートの後方に約30メートルくらいの範囲で張られているだけ。特に、内野全体とも言える範囲でフェンスが張り巡らされている日本の球場と比べると、客席から見たグラウンドの様子は、フィルターを1枚外したような鮮明な色合いで目に飛び込んでくる。

 拍手と声援だけという応援スタイルも相まって、バットでボールを捉える瞬間の音や選手の息づかいも聞こえ、臨場感は抜群だ。一度その臨場感を味わいたいと思うファンは多いし、一度味わったら再び、と思うファンも多い。だが、この臨場感は危険と紙一重の産物であることを忘れてはならない。

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