大谷翔平の球速はもっと上がる 無限の可能性秘める21歳に残された修正点

メジャーのスター選手をも凌駕する素質を持つ大谷

 打者としての疲労が体に残り、アクシデントにつながっているのだとしたら、どこかで投手一本に専念したほうがいいという考えが出てきてもおかしくない。大谷にはこれから先もつきまとう問題だろう。

 野口氏は「そういう話は出てくるでしょうね。でも、栗山監督は本人に決めさせると言っていたので、本人がどう思うかですよね」としつつ「投手・大谷」は絶対に捨てるべきではないと主張する。

「僕は、絶対にピッチャーはやめない方がいいと思います。絶対にピッチャーは続けるべき。二刀流にするのか、投手に専念するのかは別にして、やめてはいけないと思います。例えば、致命的な故障をしてしまって、送球はできるようになったけど、ピッチャーはちょっと(難しい)という怪我があったとしたら、そこからでも(打者専念は)遅くないと思うんですよ。

 もちろん、怪我しないのが1番いいことは間違いないです。でも、あれだけのバッティングだったら、そこ(怪我して)からでも遅くないと思います。なかなかいないですよ、160キロを投げられるピッチャーは」

 そして、一時は高卒でプロ野球を経由せずにメジャーを目指すと宣言した二刀流右腕が、早い段階で海を渡り、強打者たちと対戦することを望んでいる。

「来年あたり、直すべきポイントを直せてしまうと、すぐにでも行ってほしいくらいですね。日本の球界としては大きな損失なんでしょうけど、どこまで通用するかは、やっぱり見たい。メジャーならば、常時96、97マイル(約154~156キロ)投げるってことですよね。メジャーにもなかなかいないですよ。

 あの(2013年のサイ・ヤング賞右腕)マックス・シャーザー(ナショナルズ)でさえ、ランナーがいない時にちょっと力を抜いて91、92マイル(約146~148キロ)くらいで、得点圏に走者が行ったら力を入れて投げて95、96マイルくらいですよね。シャーザーが得点圏に走者を背負って、ギアを上げる時が、大谷にとっては普通なんですからね。100マイル(約161キロ)以上はメジャーの先発ピッチャーでも、なかなかいないですよね」

 メジャーリーグを含めても、その素質の高さは群を抜いている。無限の可能性を秘める21歳の成長は、まだまだ止まる気配がない。

【了】

フルカウント編集部●文 text by Full-Count

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