西武・秋山が選んだのは、個人記録ではなく勝利 「まだまだ試合は続く」

「自分勝手なバッテイングすると、流れも悪くなる」「まだ力が足りなかった」

 最後は外角への直球。強引に打ちにいくことも十分に可能なボールだったが、秋山は手を出さずに四球を選んだ。木村のバントで二塁に進むと、浅村は死球で2死一、二塁となり、最後は中村がサヨナラ3ランを放った。

「打っていいという指示もあったんですけど、連敗している中で自分勝手なバッティングしますと、流れも悪くなりますし、後ろにああやって打ってくれる人がいるので、あそこは1-3(3ボール1ストライク)からは行きましたけど、その後は我慢しました」

 秋山は最後の打席についてこう振り返った。個人記録を追いかけず、チームのために四球を選んだことで、西武は劇的なサヨナラ勝ち。連敗を4で止めた。

 6月3日の中日戦からヒットを打ち続け、今月12日の日本ハム戦で31試合連続安打として、野口二郎(阪急、1946年)に並ぶ歴代3位タイとしていた秋山。だが、高橋慶彦(広島)が1979年にマークした33試合連続安打の日本記録更新まで、あと2試合でストップした。

「(23試合連続の)球団記録を超えてからいつ止まってもいいというか、仕方ないなと思ってたんですけど、30(試合を)超えて、今日も打ちたいと思ってたんですけど、則本投手もいいボール投げてたので、やっぱりまだ力が足りなかったですね。

 プレッシャーというか、日に日にマスコミの方たちがたくさん書いてくださって、知り合いとかはみんな楽しんでると思うんですけど、僕自身はかなりやられているところもあって。ここまで来られたので、1つ切れちゃいましたけど、まだまだ試合が続くので、頑張っていきたいです」

 記録を継続していた間の心境を秋山はこう振り返る。当然、重圧もあった。ただ、その中でヒットを積み重ねてきたことにこそ、大きな価値があった。

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