新時代の4番へ ヤクルト山田は史上初の本塁打&盗塁王に輝けるか

トリプルスリーと史上初の本塁打&盗塁王はなるか

 打って、走れる新時代の4番像を山田なら築けるはずだ。前半戦を終えた段階で、打率3割6厘(リーグ4位)、19本塁打(同1位)、48打点(同3位)、15盗塁(同2位)。主要部門で全て上位につけている。

 今季は3割、30本、30盗塁の「トリプルスリー」を目標に掲げてきたが、さらなる偉業も見えてきた。日本プロ野球史上、本塁打王と盗塁王を同時に獲得した人間はいない。快挙達成が現実味を帯びてきている。

 障害となるのは、史上空前の接戦となっている“混セ”か。前半戦終了時で首位のDeNAから最下位の中日までわずか4ゲーム差と、どのチームにも優勝の可能性がある。その分、勝負を避けられるケースが増えることが予想される。ペナントが佳境を迎える9月になるまでに、どれだけ数字を伸ばすことができるかが、記録達成のポイントになりそうだ。

 もっとも、過熱する周囲の期待とは裏腹に、最も冷静なのは本人なのかもしれない。

「あくまでヒットの延長戦がホームラン。勘違いしないようにヒットを打ち続けたいです」

 自然体の23歳に不可能の文字はない。

【了】

フルカウント編集部●文 text by Full-Count

RECOMMEND

KEYWORD

CATEGORY