元スター候補がつかんだセカンドチャンス バルデリ、指導者として再出発

かつて「ディマジオ2世」と期待集めたバルデリがレイズのコーチに

 大リーグのタンパベイ・レイズで、新任コーチが奮闘している。

 今季から一塁・外野守備コーチに就任したロッコ・バルデリ。かつてのドラフト1位で大型外野手として将来が有望された選手だった。

 メジャーデビューした2003年には184安打を放ち、打率2割8分9厘、11本塁打、78打点、27盗塁をマーク。当時ヤンキース1年目だった松井秀喜氏と新人王を争った。スマートなプレースタイルで同じイタリア系のディマジオ2世と呼ばれるようにもなり、スター候補として注目された。翌年も16本塁打を放ったが、05年以降は度重なる故障と難病を煩い、鳴かず飛ばず。2010年シーズン後に現役引退した。

 引退後はレイズのアドバイザーに就任し、アマチュア・スカウトやデータ分析などのフロント業務を任された。その際には「いつかメジャーの監督をやってみたい」と現場復帰へ意欲を語っていた。けがなどで不運な現役生活を送ったバルデリが再びユニホームに身をまとったことはレイズ・ファンを少なからず興奮させた。

 かつての人気選手の現場復帰は、ファンへの影響だけにとどまらない。レイズは他球団に先駆けて守備の大胆なシフト制を導入するなど独自の「セイバーメトリクス」を用いたデータ野球が持ち味。フロントと現場の両方の考えに精通しているバルデリには、橋渡し的な役割が期待されている。

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