2番打者には強打者を… よく聞く説の根拠とは?

打順を決めるとき優先すべきことを整理すると……

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セイバーメトリクスに基づく打順ごとの重要性のイメージ

「打席に入ったときの平均的な走者数・アウトカウントを考慮する」
「強打者を上位に置き打席を多く回す」

 2つの発想から導かれる判断は、相互に違う方向性を示すことがある。例えば、ある程度走者が溜まった場面で打席を回すという観点では、強打者は1番よりも下に下げるべきだ。だが、打席をたくさん回すことにこだわるなら、強打者は1番に置くべきという判断が優先される。どちらに従うべきなのか。

 タンゴらが書いた『The Book』では、モデルを使うことでこれら各種の要素を合理的に総合しいわば各打順の「強打者を置く値打ち」を算出している。分析結果の骨子を要約すると次のようになる。

○最も重要[1・2・4番]
 1番・2番・4番はだいたい同じ程度に、最も重要な打順である。打線で最も優れた3人をこの打順で起用すべき。その中でも四球の多い出塁タイプは1・2番に、長打が多いタイプは4番にすべきである。なお、2番は併殺を避けるために走力のある打者だとなおよい。

○次に重要[3・5番]
 1番・2番・4番に次ぐ2人をここに配置すべき。2番と3番の打力は現実では逆転している場合が多いが、これは率直に誤りである。

○重要度はあまり高くない[6・7・8・9番]
 6番から9番は、1番から5番に比べると重要度が低い。打力の落ちる4人を、その中で打力が高い順に6番から配置すればいい。

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