頭部死球の青木宣親が復帰へ 脳震盪テストはパスも、残されるリスクとは

「2度目には死につながる危険性もあるという報告も」

「地元のサッカークラブ、関東一部リーグのブリオベッカ浦安をチーフトレーナーとしてサポートしていますが、うちのチームにも6月下旬に競り合いで脳震盪の症状を訴えた選手がいました。一旦症状は収まったのですが、その2週間後にそこまで強くなかったのですが、またプレー中に頭を打ちました。

 すると、走ると頭が重くなるような症状が出ました。CTスキャンを含めた精密検査をしたのですが、異常は出ません。それでも、症状が取れませんので、1か月間休養を取ることになりました。2度目に悪化のリスクもある。2度目には死につながる危険性もあるという報告もされています。野球ではサッカー、アメフト、ラグビーのようなコンタクトが少ないという判断はあるかもしれません」

 新盛トレーナーはこう説明している。

 青木は6月に右足首に死球を受け、右足腓骨亀裂骨折で自身メジャー初となるオールスター出場のチャンスを惜しくも逃している。そして、今回は頭部にボールを受けた。しっかりと手順を踏んでからの復帰となるだけに、現時点で問題は存在しないが、次に死球やフェンス激突など同じ箇所に衝撃が加わるプレーがあれば、症状の悪化、後遺症のみならず、最悪の場合、死につながるリスクも存在するという。

 ガッツ溢れるプレースタイルで昨季のワールドシリーズ覇者を牽引してきた青木は、ナ・リーグ西地区首位ドジャースとのゲーム差2・5を逆転するために必要不可欠な存在。チームメートやブルース・ボウチー監督からも愛される「ノリ」は、2度目の脳震盪という重大な不安を振り払うような活躍を期待したい。

【了】

フルカウント編集部●文 text by Full-Count

新盛淳司

(しんもり・じゅんじ)入船しんもり鍼灸整骨院、今川しんもり整骨院、クローバー鍼灸整骨院代表。柔道整復師、鍼灸師の資格を持ち、関節ニュートラル整体普及協会会員。サッカー元日本代表MF中村俊輔をセルティック時代から支える。ブリオベッカ浦安チーフトレーナーも務める。

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