原巨人の新打線 見えた逆転Vへの道筋

波に乗り切れない巨人に光明、立岡&吉川の1・2番コンビ

 今年、投高打低の巨人。連勝しても連敗してしまうのは、打線が不安定なために他ならない。4番打者は固まらず、得点力不足にあえぐ。リーグトップのヤクルト山田の本塁打数は26本。巨人のチームトップは長野の13本。本来の圧倒して打ち勝つ野球は影を潜めている。それが今季4連覇を目指すチームが波に乗れない所以である。

 残りは35試合となり、阪神を2・5差で追う2位。週明けからはタイガースとの直接対決が待つ。もうなりふり構ってはいられない。原監督は14日の中日戦で、打線のテコ入れを図った。そして見事にはまった。1番・立岡、2番・吉川の新1・2番コンビである。

 立岡宗一郎外野手は25歳。ソフトバンクからトレードで移籍してきた俊足のリードオフマン。ここまでケガも多く、泣かず飛ばずだったが、原監督は後半戦から不動の1番に起用。「毎日、1打席、必死にやっています」とまだ粗削りな部分もあるが、思い切りの良さを見せている。

 8月に入ってからは高打率を残し、得点に絡んでいる。規定打席に到達してないが、3割をキープ。出れば盗塁も決められる脚力もあり、今はなくてはならない存在になっている。

 その立岡の後の2番には昨オフ、中日を戦力外となった吉川を起用。これが功を奏した。守備で2失策はあったものの、打つ方では3安打と勝負強さを発揮。巨人に移籍してから初めてのナゴヤドームで先発出場。「このプロ野球の世界に入れたのもドラゴンズのおかげ。感謝の気持ちでやっています」と、詰めかけた名古屋のファンに大きく手を振った。

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