広島・黒田の投球の幅が「狭くなっている」!? 復調への鍵となるものは

「フロントドア」が生きていない? 「今は本当に悪循環」

 そして、その感覚の違いが配球に偏りを生んでいると、野口氏は見ている。

「この2試合は右も左もほとんどインコース。右の場合は困ったら得意のツーシームを入れれば詰まってくれるけど、左はそうはいかない。ツーシームやフォーシーム、カットボールがしっかり制球できて、それをインコースに入れてから、ツーシームやスプリット(で打ち取る)。そういうパターンでメジャーでやってたはずなんですよ。それが、今はインコースに確実に制球できているのはスライダーだけなんです。

 左バッターはファウルを打たせてカウントを稼げるけど、バッターからしたら決して嫌じゃないんですよ。ちょっとの緩急の差しかないので。とんでもないところにファウルは打つけど、芯を食って打ってるようなファウルなので、嫌じゃないはずです。それなら、外のツーシームのほうが嫌だと思うんですけど、その辺のコントロールがままならない部分があるから、それもいけないんじゃないですかね」

 制球が微妙に狂うと、左打者への得意の「フロントドア」も生きてこない。しかも、バッターの頭の中には「黒田=フロントドア」という印象があるためか、コントロールミスがあって甘く入った時には、痛打される場面も目立つ。

「この2試合で『フロントドア』で見逃し三振を取ったのは1個しか見てないです。メジャーの時は、分かっていてもフロントドアで行って、見逃し三振を取っていた。それだけ(ツーシームの)制球と曲がりが安定してたはずなんですよ。でも、今は速球系のコントロールが良くないんです。その割にはインコースばっかりなんです。今は本当に悪循環だと思います」

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