【高校野球】9年ぶりの悲願へ 早実・和泉監督に相次ぐ“因縁対決”

準決勝はまたも早大野球部OBの監督対決に、「お互い負けられない」

 夏の甲子園の準々決勝第1試合では、2006年大会以来、9年ぶりの優勝を目指す早稲田実(西東京)が九州国際大付属(福岡)を8―1で下し、準決勝に駒を進めた。1年生の清宮幸太郎の活躍が注目される一方、ベンチで指揮を執った両校の監督、早実・和泉実監督(53)と九州国際大付・楠城徹監督(64)も早稲田大学野球部出身という因縁の対決だった。そして19日の準決勝では、同じく早大野球部出身の佐々木順一朗監督(55)が率いる仙台育英(宮城)と対戦することに。その一戦を前に、早稲田大野球部出身で三菱重工長崎で監督、侍ジャパンのヘッドコーチや大学日本代表監督を歴任した小島啓民氏(51)に、和泉監督の横顔と手腕、準決勝の見所について聞いた。

――和泉監督とはどんな方で、今回の采配をどのように見られていましたか?

「和泉監督は私の2年先輩で非常に面倒をよく見てもらいました。ご本人は捕手として活躍されましたが、どちらかというとベンチスタート、あるいはブルペンを任されるというポジションで六大学リーグ戦を戦っておられました。そういった意味では、控えの選手、または試合に出られない選手への配慮が人一倍長けているのではと勝手に思っています。

 地方大会から見ていて、今年も、9年前に全国優勝した時も、控え選手が代打や守備要員として試合に途中で出場しても活躍をしている。層が厚いのもありますが、控え選手が思い通りの活躍をするということは日頃からそういう躾や心配りをしているからだと思います」

――和泉監督の現役時代にはアドバイスなどももらいましたか?

「私は大学2年から試合に出場させてもらっていましたが、和泉さんは4年生。私がリーグ戦で打てなかった時などに真っ先に笑顔で元気づけられました。特に打席での考え方をアドバイスしてもらった記憶があります。和泉さんが4年当時の早稲田のチーム構成は、私の2、3年生が中心のチームでした。したがって、4年生がほとんど控えに回るということが多かったのです。そういった意味では、練習中に下級生が気を抜いたプレーをすると人一倍厳しく、叱られましたよ」

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