自己最多の白星積み上げる広島・福井 5年目右腕を覚醒に導いた黒田の言葉

8勝、2勝、0勝、4勝、そして9勝、変貌遂げる27歳右腕

「今はKOされるイメージがない」。控えめな口調だが、その表情には自信に満ち溢れていた。22日の巨人戦で自己最多となる9勝目を挙げた福井優也が、5年目の覚醒を遂げている。

 ルーキーイヤーから先発ローテ入りして8勝。前田健太と並ぶ投手陣の柱として期待されたが、2年目以降は勝ち星が伸びず、先発の座からも外されるようになった。

 原因は制球難だった。8勝した1年目でも、1試合あたりの四死球率は4.18。野村祐輔(2.71)、大瀬良大地(2.38)の1年目と比較しても、福井が制球力で勝負するタイプの投手ではないことがわかる。

 さらにメンタル面の脆さも指摘されてきた。投手の無駄な四球に厳しい野村前監督の方針も、福井を徐々に追い詰めていった。好投していても、1つのフォアボールに必要以上の動揺を見せ、そこから崩れていくパターンが続いた。

 2年目は2勝、リリーフ転向を試みた3年目は未勝利と、成績は下降線をたどった。4年目の昨季は開幕1軍を逃し、オールスターまでは未勝利だった。しかし、後半戦に入って先発で阪神、巨人相手に3連勝。3年ぶりの完投勝利も記録し、復活の兆しを見せた。

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