【小島啓民の目】米国の3連覇阻止が期待されるU-18代表、日本が世界に誇れる精神とは

監督も猛抗議、森友哉が吹き飛ばされた危険なタックル

 リーグ戦方式の大会運営においては、予選ラウンドで、その日の状態や対戦相手の投手の巡り合わせなどにより、勝ったり、負けたりということがどうしても起きます。

 そうした場合にいかに切り替えられるか、また余力を持って後半戦を戦えるかという対応力が求められ、最終的にメダル獲得に繋がることになります。今回、日本代表を率いる大阪桐蔭の西谷浩一監督は2大会連続で指揮を執られることもあり、十分に世界大会を経験されており、その辺りの対策には余念がないことと思います。

 さて、U18で私が特に印象に残っているのは、韓国で開催されました第25回大会の日本対アメリカの試合です。この試合で、日本の高校野球では、まずお目にかかれない、「本塁上でのタックルプレー」が問題となりました。よくメジャー選手が捕手めがけて体当たりをする映像を目にしていたと思いますが、そのプレーです。

 当時、森友哉捕手がアメリカとの対戦でホームベース上で、アウトのタイミングではあったのですが、タックルされて吹き飛ばされてしまいました。当然、日本チームの小倉全由監督(日大三監督)が猛抗議をしていましたが、その当時は取り上げてもらえませんでした。

 今現在は、コリジョンルールと呼ばれ、危険なタックル、プレーは禁止、もし行った場合は、当該チームの監督が退場となるようにルールが改正されていますので、今後は行われることはないでしょうが、「高校生でやるか」と当時は衝撃的なシーンでした。

 明らかに野球ではないというこのプレーが世界的にアンフェアなプレーと認められたことは、野球の歴史的に大きな出来事であると思います。メジャープレーヤーが日常茶飯事に行ったプレーが過ちであるということを認めたことになります。

 危険なプレーで怪我を負わせることがスポーツマンシップに反すると捉えられたことは大きな進歩です。しかしながら、このタックルプレーのように世界の常識と日本の慣例との違いが生じるのが世界大会であり、このようなことを知った上で、国際大会を戦うことも非常に大切になってきます。

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